editor's museum 小宮山量平の 編集室 ロシア企画室 |
チェーホフが子どもを主人公にして書いた短編のひとつ、「ワーニカ」を父はとても気に入っていたようです。 グルジアの思い出とともに、父から「ワーニカ」の話を聞いた童画家の土方重巳さん(1915~1986)は絵本の制作を提案。展覧会のために毎年出品作として描き、数年がかりで6枚のワーニカ像を形づくりました。 (前略) 「ワーニカ」への思い、亡くなられた土方さんへの思いを込めて、父はさらに記しています。
《著者近況》(前述の文章に添えて) けれど「ワーニカ」の絵本はその後出版されることはありませんでした。父の心残りのひとつだったと思います。
それから30年の月日が流れました。 先週、一冊の本が理論社から刊行されました。“チェーホフ ショートセレクション『大きなかぶ』”。チェーホフ版「大きなかぶ」をはじめ、チェーホフの短編10話が収められているこの本の訳者は、父の長男の小宮山俊平。次男の小宮山民人が編集に加わっています。 そして、その中にありました。───「ワーニカ」! 今もなお読み続けられ、演じ続けられているチェーホフ作品。『世界文学全集 チェーホフ』(1966年河出書房刊)の解説の文の中で、訳者の杉山誠さん(1907~1968)はこんなふうに記されています。 (前略)
そして今回のチェーホフの訳者はこう語ります。
(前略) 本の帯にはこんなふうに書かれています。
“名作がスラスラ読める!世界文学旅行へお連れします”― ロシア文学を読むために悪戦苦闘した若い日々を思い返しながら、今、もう一度チェーホフと向き合ってみようかと思っています。
2017.2.15 荒井 きぬ枝
エディターズミュージアムのブログ 「父の言葉をいま・・・その79」 |
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