87歳になった父が、今また新たな夢を持とうとしている…そう思った瞬間、決心は私の心の中で動かないものとなりました。
昭和22年(1947)、理論社創設にあたって父がかかげた言葉、
ノヴアーリスの
《同胞(とも)よ 地は貧しい
われらは豊かな種子を 蒔かなければならない》
そして昭和34年(1959)、初めて創作児童文学の作品を世に送り出した時の父自身の言葉、
《自分の脚で立ち、自分の頭で考える
自立的精神の成長を願って…》
今この時代にあって、これら二つの言葉は新たな重みを持って胸にせまってくるのです。
一編集者、一出版人の軌跡をたどりながら、その思いを伝え広げていく場所を持ちたいと考えています。彼の蒔いた種を育てていきたいと思っています。
父の生まれたこの町が、いつか「創作児童文学のふるさと」となり、やがて「出版文化のふるさと」になりうるかもしれない……。その思いを込めて、父の子供である私たち兄弟姉妹が小さな輪を作りました。その輪をこれから少しずつ丹念に大きな輪にしていきたいと思っています。
「Editor's Museum」への第一歩を今踏み出します。
ご賛同いただけましたら幸いです。
2003年11月
荒井きぬ枝[小宮山量平・長女]
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荒井好夫 荒井きぬ枝[長女]
小宮山俊平[長男] 小宮山恭子
染谷正弘 染谷理子[次女]
小宮山民人[次男] 小宮山葉子 |
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